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地下資源を探すには?

写真 現在の豊かな文明社会は,地下からもたらされる資源(地下資源)に大きく依存しています。照明や機械を動かすエネルギーには石油や天然ガスが使われていますし,建築資材の鉄や銅,コンクリートの原材料である石灰石も地下資源です。原子力発電は一見すると地下資源とは無関係のようですが,核燃料のウランも立派な地下資源です。地下資源を経済的に採掘するためには,地下資源が濃集して存在する場所を見つける必要があります。それでは,そのような場所はどのようにして探すのでしょうか。 地下資源が現在ほど大量に消費されない昔では,地表に露出した鉱石や,自然に染み出した石油などを探して利用していたようです。昔の日本では「金山師(かなやまし)または山師(やまし)」と呼ばれる人達が山野を巡って金や銅などの鉱石を探していましたし,アメリカには石油掘削の有望地点を探す「石油嗅(か)ぎ」と呼ばれる職業もあったようです。また,L字型やY字型のロッドやペンダントを使うダウジングは,科学的な根拠は未解明ですが,現在でも地下水などを探すために使われているようです。


物理探査の目的

写真 左の写真は,2013年にオーストラリアで発見された天然の金塊の写真です。重要な天然資源がこのように偶然に見つかることもありますが,そんなに頻繁ではありません。きちんとした検査無しに手術することがないように,地下の有用な鉱物資源を取り出すためには,事前の調査が必要です。 物理探査は,地下の物理的な性質を測定して地下の状態を推定する方法で,通常は石油や金属鉱床などの地下資源の探査に使われます。推定する地下の物理的な性質(物性値)は,地震波速度,地磁気,重力,電位差,温度などです。 物理探査の目的は,地下構造を可視化し,岩石の空間分布や断層のような地質構造を明らかにすることです。地質学や地球化学とは異なり,物理探査は地下の物性値から間接的に金属鉱床や石油貯留層を調べます。物理探査は主として鉱物資源の探査,石油天然ガスの探査,地熱の探査などの資源探査に使われますが,ダムやトンネルを造る前の基礎地盤調査,古墳の内部を非破壊で調べる遺跡探査,不発弾や地雷探査,活断層の調査などの幅広い分野で使われています。